利益を出すための話
結果を出す、これは誰もが持つ目標。 企業では「利益を出す」こと。
そのためにどうすればよいか? 果てしなく長い時間働けば出来るでしょう。
でも働く身になればそんな生活を送りたくはないはずです。
そもそも残業と言うのは、「納期遅れをした上に単価が上がります」という仕入れ先のようなもの。
誰もそんなところに仕事は頼みたくはないはず。
そもそも結果を出すために残業するのは会社から見ても目的に合わないのです。
ならば、最短の時間と労力で利益を出すことを考えなければなりません。
そのために必要なのは、「数字に基づき意思決定をマニュアル化する」ことです。
なぜ時間がかかるのか? それはひとえに意思決定までに余計なことをやりすぎているからです。
それも人によって違うので、皆が違う回り道を通っていることになります。
見るべき数字を絞り、意思決定を単純化することで、業務は驚くほど単純化できます。
最初は物足りなく思うほどでしょう。 しかしそれはいかに無駄な作業に時間をかけていたかの証です。
浮いた時間でイノベーションが生まれるでしょう。
そして、一刻も早く帰りましょう!
ポイントは3つ。 「ブランド」・「LTV」・「アイコン商品」
ブランドは高い粗利益を生むための武器。
商品の背後にある作り手の想いーどんな価値を提供しようとしているのか。
そのためにどれだけ尽力しているかというストーリー。
これがあることで、商品に物理的な価値を超える値付けーブランド化ができる。
売上で目指すのは顧客の生涯価値(LTV)の最大化。
まず新客の獲得から始まって、それが既存客となり長く関係が続くことで利益をもたらしてくれる。
だから新客の獲得とリピーター活性化のための施策は全くの別物。
この両立を考えることが大切。
売上は最も売れる商品の強さで決まる。
理想は金額も個数もNo.1のアイコン商品を生み出すこと。
アイコン商品を徹底的に磨いてさらに強化することが売上向上への一番の早道。
そしてその繁栄は長く続く。
物価が上がっています。 米不足もあって外食は軒並み高くなっています。
その中でもスイーツは特に高くなっていますが販売は好調なようです。
ケーキは1000円越えが珍しくなくなりかき氷など2-3000円でも驚かなくなってきています。
ホテルビュッフェでもランチよりアフタヌーンティーの方が高いということも起きています。
明らかに経費高騰だけが理由ではないはずですが、その要因はなんでしょう?
まずひとつは朝昼晩必需の食事ではなく、プラスアルファであること。
生活に付加価値を加える存在であることです。 電化製品や車はすでに行き渡って新たな付加価値ではなくなっています。
モノから体験へと消費が移る、と言われて久しいですが、こんな身近にもあったのです。
次にそれを支えているのが20代中心とした若い世代であること。
若者は物を買わない、お金を使わないと言われてきました。
その結果どこの商業施設に行ってもみな「3-40代の働く女性」をターゲットにした店ばかりです。
若者には買う店がないのです。 だから仕方なくネットで買っていたのです。
だから「売らない店」を作るなんていうのはただの勘違い。
しかし彼らは賃金も上がり一番使えるお金を持っています。
今やバブル時代のように若者が消費のトレンドを作るようになっているのです。
今の生活にプラスの付加価値を与えるものを20代に向けて届ける事。
これがこれからの重要なターゲットです。
高額品が売れています。
二極化に伴う富裕層の増加の結果、だけではなく、実は高額品はコスパで選ばれているのです。
それはリセールマーケット、いわゆる中古品の流通が活況になっていることによります。 中古品市場が活性化すると、中古品の買取相場(リセールバリュー)が上がります。 たとえば100万円の時計を買うとします。 10万円でも同等な機能の時計は買えますからかなりの高額には違いありません。
しかし3年後に90万円で買い取りしてもらえるとすればどうでしょう。 実質的な支出は10万円になります。 そう、100万円の値札が付いていても、リセールバリューを考えるとその値段は10万円に見えるのです。 100万円のものが10万円で買えるなら、それはかなりのコスパと言えますね。
良いものを安く、という従来の発想では10万円の時計と同等のものを1万円で売れるように作るでしょう。 コスパの良さで確実に支持されます。 しかしコスパを追求するなら、今は100万円で売れる時計を作る、という方向もあるのです。
外資企業の方々と話すと、よく「日本企業にはマーケティングがない」という指摘を聞きます。 本来マーケティングとは営業利益を出すための施策全てを指しますが、日本でマーケティングと言えば狭い意味の広告宣伝を指すことの方が多いでしょう。 日本語では営業戦略がそれに近いのですが、営業と言うとこれまたB2Bの営業を想像しがちです。 このように用語自体があやふやなことからも本来のマーケティングへの意識が希薄だということががわかります。 このことが経営上は生産性や利益率の差になって表れているとも考えられます。
では具体的に何が足りないのか。 私の様々な外資企業との協業の経験から考えると、足りないのはブランド、データ、粗利益の3つが挙げられます。
ではどうすればよいか。 何かベンチマークとすべきものを探してみましょう。
ブランドについてはヨーロッパ特にフランス企業のブランド管理が挙げられます。 なぜならラグジュアリーブランドビジネスはフランスの基幹産業だからです。 アメリカはIT産業、日本やドイツは自動車、これら国の基幹産業は利益を出す術を極めています。 それが国益に直結するからです。
データについては無店舗販売今ではEコマース企業のデータベースマーケティングがベンチマークとなるでしょう。
粗利益については、アメリカの小売業で一般的に行われているマーチャントマージンの管理手法が優れています。
そしてこれらを統合して営業利益に至る一貫したプロセスを示すことで、マーケティング力は著しく向上するはずです。