収益を上げる話

2023-01-14 17:02:00

経営の対象はそれそれが新規と既存に分けられます。 商品なら新商品と既存の定番。 顧客なら新客と既存客。 店舗は新店と既存店など。

実はこれを分けて考えることはとても重要なのです。 なぜならそこに、「新規へ投資は既存からの利益から」という鉄則があるからです。

新規は企業の成長にとって欠かせないものですが、結果がどうなるかわからないリスクがあります。 大きな投資が必要なのにその費用効率は決して高くない。 そしてそれを賄う利益は常に既存のビジネスだけから生まれてくるということです。 このサイクルを正しく理解することで、高成長と高収益を同時に実現することが可能になるのです。  

このサイクルがうまく使えていないケースが2通りあります。 

ひとつは新規に比重を置きすぎて収益が上がらないパターン。 売上が成長期であるときに起こりがちです。 実務担当者から見ると、新規こそが仕事の成果であるように思えますから、どうしても新規を重要視しすぎる傾向があります。 たとえば新規商品。 新商品がなければ消費者は全く見向いてくれない、だから少しでも多く新商品を投入する。 しかし、現実には、どう転ぶかわからない新商品ばから増やすより、好結果が出たことが実証されている既存品の方が消費者が購入する可能性は高くなりますし、利益率も当然定番の方が高くなります。 新客に向けた広告には派手さやインパクトがありますが、費用対効果は大きく期待できませんし、それが主目的ではありません。 既存客に向けた緻密なコミュニケーションは少ない費用で大きな成果が上がることは明白です。 既存品、既存客は大きな投資の結果やっと得られた貴重な資産であることを再認識しましょう。

二つ目は、既存の収益性に執着しすぎて新規への投資が行えなくなるパターン。 こちらは成長が一段落したあとで起こりがちです。 新規へのコスト効率が次第に落ちてきて、予算も減ってくると、無難な既存に頼って保守的な運用になってしまうことがあります。 リスクのあるところに向かっていくというスピリットが徐々に薄れてくるので、危険な兆候です。

これらを避けるためにも、新規と既存の役割をよく理解して、正しくサイクルを回すことを心がけましょう。 


2023-01-10 10:50:00

小売店舗が果たすべき新たな役割、その二つ目は、商品を使う機会と場所の創出です。  

 

世の中にはありとあらゆる物が売られていますが、買ってはみたものの使う機会がない、使う場所がない、というのは多々あります。 所有することに価値を見いだしているならそれでもいいのですが、今の成熟した社会ではただ持っているだけのために買い物をすることに価値は見いだしにくくなっています。 だから、物を売る企業の責任として、使う機会や場所を自ら作り出して提供しましょう、ということです。 モノ消費でなくコト消費、というのはもうずっと前から言われていますが、実現しているところはまだほとんどありません。

 

今は世界中から集められた様々な商品が売られていますが、それぞれの商材がもともと開発されて売られた場所とは必ずしも環境が同じとは限りません。 例えばアウトドア用品、もともと豊かな自然に囲まれ自然に親しむライフスタイルが根付いた土地でその土地のニーズを満たすものとして生まれた商材のはずです。 華やかな社交界で毎晩のように開かれるパーティーでの装いに必要なドレスやアクセサリー。 食材にしても年間消費量や料理のレパートリーなどその土地の状況とは大きく違います。 もともと洋装のように明治以降に西欧から入ったものは数多く、それゆえその背景となる使う場面とは別に物だけ先に入ってきた状態になっていることが多く見られます。 逆に従来の文化は和装のように機会自体がどんど失われていっっています。 どちらも使う機会が十分にあるとは言えない状態で物だけ売られ続けているのでは、需要に限界が来るのは当然です。 使い道や機会が持てるようにな場を提供すれば、物の価値が発揮できて市場も広がる可能性があることは明白です。 物を売る市場は物を使う市場を開拓することでしか広がらないのです。

 

すでに、アウトドア用品を買うとそれを使うキャンプ地を紹介してくれて予約もでき、現地でつき方の指導も受けられるという例はあります。 しかし例えばスポーツ用品は店舗で実施に使って試すことはほとんどできません。 しかしそもそも店内で試せないまま買うという方が本来はおかしいのです。 衣料品なら試着できないのと同じです。 

 

そこからさらに進んでいくと、競技会の開催という、さらにチャンスのあるイベント市場の創出に行きつきます。 そうなると商品を購入するモティベーションが大いに高まり、また新たなビジネスチャンスが広がります。 特殊な商材でなくても食品やアパレルでもそのような企画はいくらでも考えられます。 もう一歩先までが小売業の役割だと認識するかどうか、が大事なところなのです。 

売って終わりでなく、売ってからがこれからの小売業。 これには無限の可能性があります。


1