利益を出すための話
2025-09-03 11:04:00
小売業の雄、というのは短期的には絶対的に見えても、長い目で見れば大きく変わります。
百貨店が売上規模と消費者からの期待という名実ともにトップだったのは80年代。
その後大店法の緩和により90年代にはGMS(ニチイ、ダイエー、西友、マイカル)が大型ショッピングモールを核にトップに立ちました。
現状はと言えば、コンビニ、ドラッグ、ホームセンターに加えユニクロ、ニトリのような大型専門店も含め様々な業態の大競争の時代です。
GMSの衰退の大きな原因は90年代の拡大路線での過剰投資にあります。
しかし営業面ではGMSたる食品以外のフロアの不振が大きな原因です。
1階に食品があり、2階に衣料品、3階に家電や生活用品という構成は、消費者にとって一か所で何でも揃うとても便利な業態です、
しかしそこがモールにある専門店に劣るなら、ただのお荷物になってしまいます。
食品と衣料品、家電、雑貨などは仕入先も違えば在庫回転率も違し売り方も違います。
同じような業態で最強と言われるWalmartを見てみると、各カテゴリーが他の単独店と比べても品揃えと価格でも圧倒的な競争力を持っているのです。
それぞれの分野で独立しても勝てるような仕組みを作れなかったことが、全体を衰退させた大きな原因でしょう。
経営不振により外部資本が入ると、そのような不採算部門は切り捨てることを余儀なくされます。
経営的には正しくても、地元の消費者にとっては一か所で何でもそろう便利さを捨てることであり、生活の質は下がります。 とても残念なことです。