収益を上げる話
経営の対象はそれそれが新規と既存に分けられます。 商品なら新商品と既存の定番。 顧客なら新客と既存客。 店舗は新店と既存店など。
実はこれを分けて考えることはとても重要なのです。 なぜならそこに、「新規へ投資は既存からの利益から」という鉄則があるからです。
新規は企業の成長にとって欠かせないものですが、結果がどうなるかわからないリスクがあります。 大きな投資が必要なのにその費用効率は決して高くない。 そしてそれを賄う利益は常に既存のビジネスだけから生まれてくるということです。 このサイクルを正しく理解することで、高成長と高収益を同時に実現することが可能になるのです。
このサイクルがうまく使えていないケースが2通りあります。
ひとつは新規に比重を置きすぎて収益が上がらないパターン。 売上が成長期であるときに起こりがちです。 実務担当者から見ると、新規こそが仕事の成果であるように思えますから、どうしても新規を重要視しすぎる傾向があります。 たとえば新規商品。 新商品がなければ消費者は全く見向いてくれない、だから少しでも多く新商品を投入する。 しかし、現実には、どう転ぶかわからない新商品ばから増やすより、好結果が出たことが実証されている既存品の方が消費者が購入する可能性は高くなりますし、利益率も当然定番の方が高くなります。 新客に向けた広告には派手さやインパクトがありますが、費用対効果は大きく期待できませんし、それが主目的ではありません。 既存客に向けた緻密なコミュニケーションは少ない費用で大きな成果が上がることは明白です。 既存品、既存客は大きな投資の結果やっと得られた貴重な資産であることを再認識しましょう。
二つ目は、既存の収益性に執着しすぎて新規への投資が行えなくなるパターン。 こちらは成長が一段落したあとで起こりがちです。 新規へのコスト効率が次第に落ちてきて、予算も減ってくると、無難な既存に頼って保守的な運用になってしまうことがあります。 リスクのあるところに向かっていくというスピリットが徐々に薄れてくるので、危険な兆候です。
これらを避けるためにも、新規と既存の役割をよく理解して、正しくサイクルを回すことを心がけましょう。